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止揚学園訪問 〜リーダー新見編〜 2009年9月6日(日)

先日、滋賀県能登川町にある止揚学園を訪問させていただきました。
能登川という地名から豊かな川の流れを想像しますが、
能登川という川は実はここには存在しません。
その代わりに網の目のように細かな水路が町中に張り巡らされ、
そこで暮らす人の家々が水路によって結ばれているという素敵な街です。

止揚学園は駅から歩いて10分、小高い山のふもとにありました。
地図をたどりながら、学園の明るい色調のタイル張りの建物をようやくみつけたとき、
後ろのほうから私たち一行に
「こんにちは〜!!こんにちは〜!!」
と声をかける人たちがいます。
なんだか浮世離れした明るい声、たぶん止揚学園の人たちです。
「どこから来たの〜?」
「神戸から〜!!」
やまびこを呼ぶように声を掛け合いました。
なんだか楽しい。
神戸から参加した、じゅんちゃん、きみちゃん、そして私は、
ふふっと笑って彼らが近づいてくるのを待ちました。
「お客様ですか?いらっしゃいませ。」
私たちに声をかけてくれたのは、やはり止揚学園の人達でした。
散歩からの帰りだったようです。
重度の知的障害を持つ彼らとの初対面。
学園という名から、若者を想像していましたが、入園者の方は年配の方が大半です。
保母さん達に手をひかれ、
「ここを歩いて、そこは砂利がひいてあるからこけちゃうよ、溝におちないようにね」
と声掛けされながら学園に向かって歩いていきます。

止揚学園に到着して、私たちを迎え入れてくださったのは、
学園創設者の福井達雨さんの奥様でした。
まず、園内を見学させていただこう、ということで、
受付がある園内の古い宿舎から見せていただきました。
受付のすぐそばには
「目にみえるものよりもみえないものを大切に、共に歩む」
という趣旨の掛札があります。
受付奥の入園者の方々が過ごすスペースに足を踏み入れると、
木張りの床がきらきらと光っています。

区分けされた小さいもので8畳ほど、大きいもので20畳ほどある部屋は
どこもかしこもきれいに掃除されていました。
きれいに、というのは磨き上げられたきれいさ、という感じです。
建物自体は40数年前から使い続けてこられたものなので古いのですが、
大切に使ってこられたことが分かる美しさです。
引き戸のレールにはほこりがたまりやすいものですが、
木の継ぎ目やレールのまわりにもほこりひとつ見当たりません。
後で伺うと、毎日廊下はぞうきんがけしている、とのことでした。
ワックスをかけたわけでもないのにきらきらと光る廊下の秘密は、ここにあるようです。

「福祉施設は現在の基準でいうと、耐震や防火の観点から
鉄筋コンクリート作りでなければ認可がおりないのですが、
私たちが止揚学園を立ち上げた頃は木造でも大丈夫でした。
私たちは木が好きです。コンクリートは冷たいですが、
木はこうして毎日触ってあげると私たちの思いを
吸い取ってくれるような気がするので好きなのです。」
と柱をなでながら教えてくださいました。

園の玄関口で出していただいたスリッパをはいていたのですが、
脱いで歩くと床の木の感触が気持ちいいですよ、と教えられて
私は帰るまで裸足で園内を歩き回ったのですが、
驚いたことに帰るときに足の裏を見ると汚れはほとんどありませんでした。

洗濯室、という部屋に連れて行っていただくと、
ちょうど入園者の方が保母さんと一緒に洗濯物の仕分けをしているところでした。
入園者それぞれの衣類棚があり、
その中の一つを手にとって見せてくださったのですが、
パンツや靴下の一つひとつにまで赤い刺繍糸で名前がつづられています。

「マジックや名札をつけるということはせず、
すべて名前は刺繍でかがっています。
ご両親がおられる方はご両親にしていただきますが、
いらっしゃらない方の分は保母が刺繍をしています。
マジックで名前を書かれるなんて、ぞうきんじゃないんだから嫌でしょう。」

冬ものの衣類がしまわれている中に、
一人ひとりの衣類を管理する衣類表が入っているのですが、
表を見ると衣類の数はそう多くありません。

「入園者は、服が破れると“びょうき、びょうき”と言って私たちに知らせます。
新しいものを買うのではなく、針と糸で“びょうき”を治してあげると
彼らは大変喜ぶのです。」
「洗濯ものはすべて職員が手洗いし、
太陽で乾かしてこの洗濯室に戻すことにしています。
県や国の福祉担当の方は、クリーニングをする業者をいれればいいとか、
炊飯をする業者をいれればいい、とかおっしゃいますが、私たちはそれをしません。」
どうしてでしょうか?
「ここに入園している人たちは、言葉を使ったコミュニケーションが苦手です。
だから、私たちが時間をかけて洗って干した衣類を着て、
それが肌に触れれば私たちの気持ちが伝わると思うのです。
子どもを育てるときを考えてみてください。
子どもに触れずにただ愛している、と口で言ってもそれは伝わりません。
抱きしめて初めて子どもは愛されているとかんじることができます。
それと同じで皮膚の感触から、手洗いして太陽でパリッと乾かした衣類の気持ちよさを
感じてくれれば、私たちの思いが伝わると思うのです。」
このように話してくださいました。

園内にはたくさんのトイレがありますが、
どのトイレにも赤や黄色、青、緑、といった
原色の強い色が壁や床のタイル一面に使われています。
明るい雰囲気です。
「どうぞよかったら、ここで用を足していってください。」
と案内をしてくださっている奥様に私たち3人は勧められました。
まるで、「どうぞ、ここでお茶でも飲んでいってください。」
とでもいうかのような勧め方です。
私たちに使ってほしいんだな、と私は思ったので
遠慮なく3人でトイレを使わせていただきました。

「入園してきた子は、みんなおむつをつけっぱなしで、
トイレで用を足すということを知らない子ばかりです。
そんなとき、私たちはトイレで強引にさせるということだけでなく、
トイレの掃除をしてまず彼らが来ることに備えます。
そして名前を呼んで来てくれるように祈ります。
私たちは“待つ”ということが重要なことなのだと思っています。」

説明を受けた後だったから、というのもあるでしょうが、
保母さんが待ちながらきれいに手入れしてこられたトイレは、
使う私達にとっても、とても気持がいい場所でした。
宿舎の見学の後は、お昼ごはんを園のみなさんと一緒にいただきました。
メニューは、ごはん、冬瓜の汁もの、焼き魚、
丁子麩のからし和え、コーヒーゼリーです。
ひとつのテーブルを15人ほどが囲み、そろっていただきます。
入園者2人に職員の方が1人ついています。
同じテーブルには神戸の大学から実習で来られた学生さんも入っています。

食事の前の歌をみんなでうたってから食べ始めます。
止揚学園には、300以上のオリジナルソングがあり、
歌は絵画とセットで生まれるそうです。
生まれる瞬間に立ち会ってみたいものです。
どんな風に絵画と歌がセットで生まれるのでしょうか。想像もつきません。
ご飯の時間は、みんながとっても楽しみにしている時間だそうです。
私もお腹がすいていたので見学者であるにも関わらず、
ごはんと汁物をおかわりしてしまう、という食べっぷりでした。
丁子麩という江州名産のお麩をからし和えした小鉢が、なんとも言えずおいしかった。
一緒に見学に行ったじゅんちゃん、きみちゃんの分ももらって食べました。
私はからしや香辛料の類が大好きなのでおいしくいただけたのですが、
入園者の方は辛くて食べられない人が多かったようです。
食事のあとに、保母さん同士が、からし和えの食べられない人はだれだれさん・・、
ということを伝えあっておられました。
炊飯は、みんなの好きなものを献立にするそうです。
入園者の方だけでなく、職員の好きなものも反映して良いそうです。
炊飯をする台所を後で見学させてもらうと、若い人たちが働いています。
この子は、あの職員の娘、あの子は私の孫、
という風に設立者の福井さんから数えて3代目世代の若者が一緒に働いていました。

「止揚学園は、家族みたいですね。」と私が言うと、
「ええ、みんな家族です。入園者のことだけでなく、職員の家族のことも、
みんなで心配しあっています。」
とおっしゃいました。

折しも、私たちが学園を訪問した日はこの大家族にとって晴れの日で、
小さい時から止揚学園で重度の知的障害をもつ人たちと
一緒に生活してきた職員の娘さんが、養護教諭を目指して大学に行くことを
みんなの前で発表しておられました。

食事のとき、私のとなりに入園者の方、
40〜50歳くらいの女性の方が座っておられました。
会話はできないようで、なにかを伝えたいときは、
「う〜ん、う〜ん」と声をあげて指をさして知らせます。
一生懸命たべる私とじゅんちゃん、きみちゃんを指さしてにっこり。
「はよたべや〜まだ残ってんで〜」とでもいうような仕草です。
何をおっしゃっているかはわかりませんでしたが、
「おいしいです、とてもおいしいです」答えました。
それでも、「う〜ん、う〜ん」何だろう。よく分かりません。

食事が済んだらみんなの前で私たち来場者の紹介をしてくださいました。
神戸から見学に行った私たちのほかに、
岐阜からみなさんと顔なじみの男性が来られていて、
大きな梨のプレゼントを持ってきておられました。
学園の入り口にお客様を出迎えるように、
キリンや象とおぼしき形のユニークなトーテムポールが何体かおいてあるのですが、
このお客様の車は、なんとバックの途中で象の鼻にぶつかってしまう
という事故にみまわれていました。
それでも象はなんのその、ながい鼻はびくともしないようでした。
みんなの笑い話のネタになりそうです。

この方の後に私たちの紹介もしていただきました。
じゅんちゃんは緻密に縫いこまれたドラえもんのぬいぐるみ、
きみちゃんは押し花でつくった飾りを持参していたので、
それを入園者の方に見ていただきました。

じゅんちゃんのドラえもんは大人気。
「これ、お土産にいただいてよろしいんですか?」
と職員の方が譲ってほしそうにされたのですが、
じゅんちゃんにとっては大事な商品。
譲れないと伝えると残念そうでした。
私にお金の余裕があればその場で買い取って
お土産にしていただいてもよかったな、と思いました。
きみちゃんの押し花飾りは、食卓に飾っていただきました。
じゅんちゃんのドラえもん効果で、私たちはドラえもんの歌を歌うことになり、
マイクを持ってみなさんの前で歌いました。
「恥ずかしいわ」と言っていたきみちゃんも、
入園者の方があまりにも楽しそうに歌ってくださるので、マイクを私から奪い取って熱唱。
恥ずかしいことなんて少しもありませんでした。

食事のあとは新築2階のホールをみせていただきました。
舞台向って右側にはたくさんの遺影が飾られています。
園内にある納骨堂にまつられている方々です。
大半は、死んでからくらいは子どもと一緒にいてやりたい、
という入園者の親御さんだそうです。
戦後、人里離れたへき地に障害者を隔離するような施設がたくさんつくられた。
という話をよく聞きます。
また、重い障害をもった子どもを産んだ親が自分の子どもを殺す、
という事態は現代の世の中でも起きています。
その事実を聞くだけでは分からない、
障害をもった子供を産んだ親の気持ちがどのようなものであるのか、
その複雑な形の一面をここで教えていただいた気がしました。
おかしいのは、その遺影の中に犬の写真も含まれていたことです。
人間もお犬様も一緒に祀る。そんなのは聞いたことがありません。

木造の古い宿舎もそうですが、新築の新しい建物も、
黄色や赤、青といった原色の強い色でいたるところに装飾がなされています。
食事の時間に保母さんの一人が教えてくだっさったのですが、
入園者の方は、明るい色調の中に身を置くと状態が安定するそうです。
強い刺激でないと受け取ってもらえないのでしょうか。
逆に考えて、強いエネルギーでこの人達と接すれば、
思いを受け取ってくれるということだろうか、と考えました。

新築ホール1階、料理場横に
「やすらぎとくつろぎの部屋」という入り口が
ステンドグラスで装飾された部屋が設置されています。
名前を聞いただけで、どんな部屋なのかわくわくします。
その正体は、トイレと風呂場です。
入口入って4面の壁面に福井達雨さんご自身が描かれた太陽がどかんと出迎えてくれます。
福井さんの絵は「芸術は、爆発だ!」で有名な岡本太郎さんが
「これはいい」と評価されたそうです。
確かに爆発的なエネルギーを発する絵でした。
壁面に大きなおおきな太陽ひとつ。
大きく描く、ということは単純に思えて実は難しいことだと思います。
私が描いたら、隅っこ右奥にちっちゃな太陽ひとつになるんだろうな、
と思って見ていました。

入園者の中には自力で歩行できない方もいらっしゃるのですが、
いわゆる高齢者の福祉施設等でみられるような介助用の機械の類は一切ありません。
「お風呂は保母も服を全部脱いで、素っ裸になってはいるようにしています。
体操着の上にエプロンをつけて、長靴をはいてお風呂にいれてあげる
ということはしません。一緒にはいるようにしています。
体が不自由な方は両脇から職員が二人で抱えて入ります。」
と教えてくださいました。
お風呂のお湯は、まきで温めるそうです。
「石油やガスは、いずれはなくなるでしょう。
ここなら裏山に木があるから、ずーっとお風呂を焚くことができます。
今は周辺の住民の方が薪を集めて持ってきてくださるので、
それを使ってお湯を温めているんですよ。」
石油やガスはなくなる・・・その通りです。
環境活動をしているような場所ならともかく、
福祉施設でこのような言葉を聞くことになるとは、正直驚きました。

最後に、宿舎やホールとは道をはさんで離れたところにある建物を見せていただきました。
止揚学園にはクッキークラスや絵画クラスといった、
就労や余暇活動に近いことを行うクラスがあるのですが、そのために使われている建物です。
小さく切った布の端切れを何枚も油絵の絵の具を重ねるようにして
重ねて作った作品があるのですが、
これを指差しながら奥様がおっしゃいました。
「この作品を作るのは、実は学園の中でもほんの一握り、
2,3人なんです。でもね、これはみんなの作品なんですよ。
布を貼り付けていくために、貼り付ける元の板を何時間も支えるだけの仕事をしてくれる人が
この学園にはたくさんいるんです。
歌をうたって、がんばれ〜と励まして。
だから、これはみんなの作品なんですよ。」
絵と歌がセットで生まれる瞬間、こういうときを言うのかもしれません。
確認するのを忘れてしまいました。

クッキークラスが開かれる部屋には
一揃えの本格的なオーブンやパン用の発酵機が設置されています。
ここでつくられたクッキーは注文を受け付けて販売しているそうです。
外に向けて大きく設置された窓ひとつ。
ガラスの向こうに刈り取られるのを待つ稲の束が見えます。
「ここの田んぼの持ち主の方が、春には菜の花を、秋にはコスモスを、
という風に花の種をまいてくださるんです。
止揚学園の子供たちが楽しめるように、ってね。」
一面のコスモス畑が見られる季節はもうすぐ。見てみたいものです。

たっぷりと学園の中を案内していただき、気がつけば3時。
そろそろ帰らなくてはとお茶をいただいていたところ。
外出中と伺っていた福井さんが帰宅されているとのことを聞きました。
ぜひお会いしたいと3人で伝えたのですが、
なんともうお風呂に入ってしまったとのこと。
「福井は風呂が長くて。入ったら2時間は出てこないんです。
あっちこっちを引っ張ったり伸ばしたり、ストレッチを毎日欠かさずするんです。
これを何回、あれを何回って全部決めているから、それが終わらないと出てきてくれなくて。
またいらしてくださいね、きっと次は会ってもらえるから。」
残念、この日はお会いすることが出来ないようです。

「学園を見せていただいて、職員の方の思いというか、
私だったら1日も続けてできないようなことを
40年間も続けておられることに、とても驚きました。
止揚学園が前に進んでいくエネルギーの元はなんなんでしょうか?」
最後に質問しました。
奥様はじーっと考え込まれて、
「それは、弱さでしょうね。」そう言われました。

「強いことは素晴らしい。でも、弱いことも素晴らしいと思います。」
私の向かいに座ってお茶を飲んでおられた岐阜からの来場者の方はこんな風に言われました。
「福井さんはね、実は自分は臆病もので気が小さくて、弱いんだ、っておっしゃるんですよ。
でもね、自分が弱いっていうことを人前で堂々と言える人がどこにいますか?
みんな自分は強いって言いたいんじゃないかな。
自分は弱いってことを堂々と言えるのが福井さんのすごいところだなあと私は思いますよ。」
弱いのがすごい。弱いといえることがすごい。
思ってもみない答えでした。

障害者の権利獲得のために邁進してきた。
そんな答えを私は予想していました。
弱い、人間は弱い、だから強くなろうとするのか。
武器を持つし、核ミサイルを持つし、嘘をつくし、自分をよく見せようとするのか。
それは全部自分が弱いってことを自分でどこかでは知っているからなのか。
私は必至で自分をまとう強さを得ようとするし、ないものをあると言うし、
ムキになって強くなろうとするけれど、それって実はばからしいのかな。
そんな風に思いました。

そんな風に思うと、弱さを素のままで生きている人が素敵に見えてくる気がします。
自分の弱さをさらけ出す勇気が私にはないから大きいことは言えないけれど、
弱いことが素晴らしいってそういう感覚なんじゃないかな、
と帰りの電車で考えました。

最後になりましたが、チャンスをくださった浅井さん、
西澤さん、本当にありがとうございます。
自分の都合本位でお二人のお役にちっともたてないこと申し訳なく思います。すみません。
そして、一緒に止揚学園に行ってくれたじゅんちゃんありがとう。
何を聞いても「大丈夫!」と答える笑顔の裏に
大丈夫じゃない事情がたくさんあると思うんだけれど、配慮が足りず申し訳ない。
きみちゃんは、自分が情けない気持ちとの葛藤でした。
最後まで一緒に歩けたこと、よく頑張ったなと思います。
遅くなりましたが、以上でレポートとします。ありがとうございました。

2009.9.11 新見 侑子


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